10/03/2010

にゅるっとしてバキッ

北イタリアはポルチーニマッシュルーム(porcini・ヤマドリタケ)の季節でした。キノコと見るとすぐに顔を近づけて匂いを嗅ぐのが日本人なので、出来る限り接近してみました。触るともちろん怒られるでしょう。くんくん、例のナッツのような香りはあまりしないですねぇ。嗅覚に問題があるのか、それとも輸入物か。


大昔、ローマのトラットリアで初めて食べたポルチーニのソテーに感動した記憶があります。レストランではパスタやリゾットにと極めてシンプルに調理されて出てきます。ポルチーニ自体はちょっとにゅるっとした食感。私はどちらかというと乾燥ポルチーニのファン、太陽の恩恵で生よりがぜんウマ味が増します。干し椎茸と同じですかね、「干し椎茸は生ではグアニル酸の占める割合が少ないが、乾燥して温度が上昇する過程で、リボヌクレアーゼやホスホモノエステラーゼ(干すホモのエストラーゼ?!)等の酵素の働きにより増加するー」だからおいしくなるそうです。なるほど、よくわかりませんね。


ポルチーニはトリュフやマツタケ同様、未だに培養栽培が成功していないキノコで、最近は中国の雲南省で採れたものが世界に流通しているとか。森林開発、大気汚染などでイタリアでは地産ポルチーニはもう市場に出回るほど採れないのかもしれません。こうやって色々な食材やお魚がどんどん姿を消していきます。
昔、母が夜中にこっそり台所で「うまいモノは宵に食え」って言うのよ、ってケーキの残りやお饅をほお張っていたのを子供心になんか変だなぁ、と思いながら私はずっと{うまいモノは食べられる時に思い切り食べておけ}っていう意味かと思ってましたよ。諺の本当の意味は{好都合なことは早くするほうがよい}。。ぜんぜんちゃうやーん、しかも"宵"って日が暮れてまもなくの事よ、母上。
幼少時代のインプットは恐ろしい、食べたことのないモノが目の前にあったら何がなんでも今食べておかないと次がないと思ってしまう私です。

モスタルダ(Mostarda)もおもしろい食材です。
北イタリア、クレモナ(Cremona)の名物でマントヴァでも自家製モスタルダを売るお店がありました。


主に果物、梨や杏、サクランボなどのシロップ煮にマスタードエッセンスを加えたもの、甘いけれどツンと鼻を刺激する辛味。子供の頃からこれを食べ慣れていたら、普通のジャムはジャムじゃない!と思ってしまうでしょう。ボリットミスト(Bollito misto)という茹でた豚肉に添えたり、生ハムやチーズと食べたりします。
そしてこれらがマントヴァのスナック、マントヴァパーネ。



チーズ入りや丸い形のものがあって私は大好きです。が、これが異常に固い。バキッとかじったらパーネが割れたのか、歯が折れたのかと思われる刺激が脳内にヒビきます。
そしてやみつきになるのです。
日本の食材ってどんどん柔らかくなってる気がしませんか?こういうのを食べて育つと顎が発達して弁が立つ人間が出来ると思うなぁ。あーいえばこういうイタリア人、ホンマによーしゃべります。

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